製図試験対策の予備校比較|総合資格・日建学院・TACを徹底比較

製図予備校比較 アイキャッチ

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1. はじめに:製図対策の予備校選びは合否を左右する

学科試験を突破したあと、いよいよ立ちはだかるのが「製図試験」だ。

設計製図の試験は、毎年7月初旬に課題が発表され、10月に本番を迎える。約3〜4ヶ月という短い準備期間で、未知の課題に対応できる製図力を身につけなければならない。

独学でも合格できないわけではないが、製図試験の合格率は令和7年(2025年)実績で35.0%(学科試験合格者の中での数字)と、決して簡単ではない。課題の読み取り、ゾーニング、動線計画、法規チェック、作図スピード——これらすべてを短期間で習得しようとすれば、正直なところ予備校の指導力に頼るのが現実的だ。

問題は、どの予備校を選ぶかだ。

総合資格学院・日建学院・TACは、いずれも製図対策講座を持つ主要予備校だが、それぞれに特徴がある。授業形式、課題数、添削の回数とフィードバックの質、教室の立地、費用——これらはどれも、社会人受験生にとって「続けられるか」に直結する重要な選択軸だ。

なお、令和8年度(2026年度)から設計製図試験に法令集の持ち込みが新たに認められた(2冊まで、書き込み条件は学科試験に準じる)。これは試験制度史上初の変更であり、これまで「頭に叩き込む」ことが前提だった製図の法規チェックに大きな影響を与える。

法令集持ち込み解禁により、問われるのは「法規知識の暗記量」から「必要な条文を瞬時に検索し、プランに反映させる判断力」に移行する。学科試験で使い込んだ法令集(線引き・インデックス整備済み)をそのまま製図試験に持参できるため、学科から製図への移行がこれまでより有利になる。

各予備校のカリキュラムがこの変更にどう対応しているか、体験授業や個別説明会で必ず確認しておきたいポイントだ。

本記事では、この3校を公平な視点で比較する。「どこが一番いい」と断言するつもりはない。自分の状況と照らし合わせて、最適な選択をするための材料を提供することが目的だ。


2. 主要3校の比較表

まず全体像を把握するために、3校を主要な軸で比較する。

比較軸 総合資格学院 日建学院 TAC
授業形式 対面(ライブ)中心 映像講義+対面 映像講義+対面
課題数 業界最多レベル 標準〜多め 標準
添削回数 多い 丁寧なフィードバックで定評 コースによる
全国拠点数 多い 多い 中程度
製図のみ短期講座 あり あり あり
欠席フォロー あり(映像視聴等) あり(映像視聴等) あり(映像視聴等)
費用目安(製図のみ) 約33万円〜(税込) 要問合せ(目安:30万円前後) 要問合せ(大手比50〜70%水準)
向いている人 徹底的に鍛えたい人 映像で繰り返したい人 コスパを重視する人

※費用はコース・時期・キャンペーンにより変動します。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。


3. 総合資格学院の特徴

業界最多水準の課題数

総合資格学院は、製図試験対策の課題数が業界の中でも特に多いことで知られている。

製図試験は「数をこなすこと」が実力向上に直結する。さまざまなパターンの課題を繰り返し解くことで、初見の課題に対する対応力が身につく。その点で、課題数が多い環境はひとつの強みだ。

また、例年の試験傾向を分析した独自の予想課題を出題してくることでも評価が高く、「本番で似た問題が出た」という声も多い。

対面授業中心・講師との距離が近い

授業スタイルは対面(ライブ授業)中心だ。その場で添削を受けながら、講師からリアルタイムでフィードバックをもらえる形式は、疑問点をその場で解消できるメリットがある。

講師も製図試験合格者が多く、実際に試験を経験した視点からの指導を受けられる点は心強い。

ただし、ライブ授業は時間が固定されるため、仕事のスケジュールとの兼ね合いが難しいケースも出てくる。欠席した場合のフォロー体制(映像視聴、振替授業など)がどうなっているかは、入校前に必ず確認しておきたい。

費用は主要3校の中で最も高め

総合資格学院の費用は、同種の製図対策講座の中では高い部類に入る。それだけの価値があると評価する受験生がいる一方で、「費用の面でハードルが高い」という声も現実にある。

費用の詳細は公式サイトで確認してほしいが、受講料だけでなく、テキスト代・模擬試験費用なども含めたトータルコストを把握した上で判断することを勧める。


4. 日建学院の特徴

映像講義で繰り返し視聴できる

日建学院の製図講座は、映像講義を活用した学習スタイルが大きな特徴だ。

ライブ授業が中心の予備校では、「授業についていけなかった箇所」を後から見直すことが難しい場面もある。その点、映像形式であれば同じ箇所を何度でも再視聴できる。理解できるまで止めて、巻き戻して確認できる点は、特に製図の手順を学ぶ段階では有効だ。

「先生の説明を聞き流してしまった」「手が動かせなかった」という経験をした受験生にとって、映像で自分のペースに合わせて学べる環境はメリットが大きい。

全国に教室が多い

日建学院は全国の主要都市に教室を持ち、拠点数の多さが特徴のひとつだ。

地方在住の受験生や、転勤の可能性がある社会人にとって、「どこに住んでいても通いやすい」という点は現実的な安心感につながる。

添削のフィードバックが丁寧

日建学院の添削は、詳細なフィードバックが丁寧との評価を多く耳にする。

製図試験の添削において重要なのは、「どこが悪いか」の指摘だけでなく、「なぜ悪いのか」「どう修正すべきか」の説明だ。理由まで丁寧に教えてもらえると、次回の課題に活かしやすく、同じミスを繰り返すリスクが下がる。

添削の質は個々の講師による部分もあるが、日建学院は添削指導の体制に定評があると言われている。


5. TACの特徴

コスパが良い

TACの製図講座は、3校の中で費用を抑えつつ一定の教育水準を維持しているという点で評価されている。

予備校に通う以上、費用は大きな関心事だ。家族がいる社会人受験生、複数回受験している方など、費用負担を最小限に抑えたい状況はさまざまある。TACは、そういった受験生にとって選択肢に入りやすい存在だ。

ただし「安い=質が低い」ではない。TACの講座自体は標準的な製図対策として必要な内容を網羅しており、コストパフォーマンスの高さを評価する合格者も多い。

製図だけの短期講座がある

学科試験から連続して受験する方の中には、「学科は独学・予備校で合格できたが、製図だけは指導を受けたい」というニーズがある。

TACは製図対策に特化した短期講座を設けており、学科の長期コースに入らず製図だけを受講できる点が強みだ。製図のみのコストで済むため、総費用を抑えつつプロの指導を受けるという選択が現実的になる。

社会人の通いやすさを重視した設計

TACの講座設計は、忙しい社会人が無理なく受講できることを意識している。

授業の曜日・時間帯の選択肢、映像視聴を活用した欠席フォロー、自習室の活用など、仕事との両立を前提とした仕組みが整っている。「週に何日通えるか」という現実的な条件から予備校を選ぶ社会人にとって、フィットしやすい設計だ。


6. 選び方のチェックリスト

3校の特徴を踏まえた上で、自分に合う予備校を選ぶための確認項目を整理する。

通学距離・教室の立地

製図試験の授業は、週に1〜2回の対面(または映像視聴)が基本となる。通いやすい距離に教室があるかどうかは、継続率に直結する最重要事項だ。

自宅から1時間以上かかる場所に教室があると、仕事終わりの疲弊した状態で足が遠のきやすい。資料請求や見学の前に、まず最寄りの教室の場所を確認しよう。

仕事のスケジュールとの両立

授業が固定された曜日・時間帯に設定されている場合、その日に仕事の予定が入ってしまうリスクがある。

確認すべきポイント:
授業スケジュールの柔軟性(曜日・時間帯の選択肢はあるか)
欠席した場合のフォロー制度(映像視聴・振替授業はあるか)
欠席可能な回数の上限(何回まで欠席が許容されるか)

特に繁忙期がある職種の受験生は、夏〜秋のスケジュールを想定した上で無理なく通えるか確認することが必要だ。

課題数と添削回数

製図力は量稽古で伸びる面が大きい。受講期間中に何課題取り組めるか何回添削を受けられるかは、講座選びの重要な比較軸だ。

課題数が多ければ多様なパターンへの対応力が上がるが、消化しきれないほどの課題は逆効果になる場合もある。自分のペースで取り組める量かどうか、体験授業や個別相談で確認しよう。

予算とのバランス

予備校の受講料は決して安くない。しかし製図試験に不合格になれば翌年も受験費用と学習コストがかかるという現実もある。

「安くて失敗する」よりも「適正な費用で合格する」方が、トータルのコストは低くなる。費用だけで選ばず、費用対効果を判断する視点を持つことが大切だ。


7. 社会人受験生へのアドバイス

「通える」ことが最優先

製図試験対策は短期集中型だ。課題は出題されてから試験本番まで約3〜4ヶ月しかなく、その期間に授業・課題・自主練習を積み重ねる必要がある。

どれだけ評判の良い予備校でも、通えなければ意味がない。体験授業・説明会では「本当に続けられる距離か」「スケジュールが合うか」を最優先に判断しよう。

欠席フォロー制度があるか必ず確認

仕事をしながら受験する以上、100%出席することは現実的でない場面が必ず出てくる。突発的な残業、出張、家庭の事情——どれも避けられないリスクだ。

欠席した場合に映像視聴で同じ内容を後日確認できるか振替授業が設けられているか——この点は各予備校の入校説明会でしっかり確認しておきたい。欠席フォローが薄い講座だと、1回の欠席が致命的な遅れにつながるリスクがある。

製図だけの短期講座で費用を抑える選択肢

学科試験は独学や通信講座で乗り越えた受験生にとって、製図のみを予備校に頼るという選択肢は合理的だ。

製図に特化した短期講座であれば、長期の学科+製図コースに比べて費用を大幅に抑えられる。予備校によっては「製図短期コース」「製図直前講座」として設けているため、自分の状況に応じたコース選びが重要だ。

また、学科はスタディングなどのオンライン講座で費用を抑え、製図のみ予備校を利用するというハイブリッドな学習戦略を取る受験生も増えている。

予備校に行かない選択肢:独学+添削サービス

予備校の費用が負担になる場合や、地方在住で通いやすい教室がない場合、独学+添削サービスのハイブリッドという選択肢もある。

  • 建築士試験専門の添削サービス:オンラインで図面を提出し、合格経験者や資格者から添削フィードバックを受けるサービスが複数存在する
  • SNSコミュニティの活用:X(旧Twitter)やInstagramで受験生コミュニティに参加し、相互添削・情報共有を行う受験生も多い
  • 市販問題集の活用:総合資格・日建学院・建築資料研究社から製図試験対策の市販テキストが発売されており、独学の指針として活用できる

ただし、製図試験の添削は「紙面上の正誤判定」だけでなく、「なぜそのプランが減点されるか」の深い理由まで理解することが重要だ。独学では自己判断の限界がある点を認識した上で、予備校との組み合わせを検討してほしい。

製図試験の独学可否について詳しくは製図試験の独学は可能かも参照してほしい。


次のステップ:まず資料請求から

製図予備校は即決しないでください。まず2〜3校の資料を取り寄せて比較するのが失敗しないコツです。

総合資格学院 合格実績No.1・課題数最多 公式サイト →
日建学院 映像講義で復習しやすい 公式サイト →
TAC コスパ重視・短期講座あり 公式サイト →

※ 資料請求は各校とも無料です。申込み前に必ず複数校を比較しましょう。

8. まとめ

製図試験の予備校選びに、唯一の正解はない。

総合資格学院・日建学院・TACの3校は、それぞれに強みを持っており、どの予備校も多くの合格者を輩出している実績がある。

予備校 こんな人に向いている
総合資格学院 課題を徹底的にこなして実力をつけたい人、対面指導でリアルタイムフィードバックを受けたい人
日建学院 映像で繰り返し学びたい人、丁寧な添削フィードバックを重視する人
TAC 費用を抑えながら製図対策に集中したい人、社会人でスケジュールの柔軟性を重視する人

最終的な選択のポイントは「通える距離にあるか」「仕事と両立できるスケジュールか」「欠席フォローが整っているか」の3点だ。

まずは各予備校の無料説明会・体験授業に参加してみることを強く勧める。実際に足を運ぶと、教室の雰囲気、講師のスタイル、サポート体制の実態が見えてくる。資料やウェブサイトだけでは分からない、「自分がここで勉強を続けられるか」という感覚を確かめることが、予備校選びで最も大切なことだ。


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