防火・避難規定の総まとめ|令112条〜令130条の出題パターンを整理

防火・避難規定の総まとめ アイキャッチ

本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。


はじめに――「防火」と「避難」がごちゃごちゃになる、あの感覚

防火区画の4種類 比較図
防火区画の4種類 比較図

「令112条は防火区画の話だって分かっている。でも令121条が直通階段で、令123条が避難階段で……どこから何を調べればいいのか、条文の海で迷子になってしまう」

法規を勉強した経験がある受験生なら、一度はこの感覚を味わったはずです。防火規定と避難規定は施行令の第5章にまとまっているとはいえ、条文の数が多く、相互に関連しあっているため、「どの条文が何を規定しているか」の全体像が見えないまま勉強を続けてしまいがちです。

防火区画の面積区画を覚えたと思ったら、排煙設備の免除条件を忘れる。避難階段の要件を整理しようとしたら、無窓居室の判定方法が曖昧になっている。こういったことの繰り返しで、「法規はとにかく覚えることが多い」という苦手意識が固まっていくのです。

でも、安心してください。防火・避難規定は「施行令第5章の構成を一度俯瞰する」という作業をすることで、一気に見通しが良くなります。どの条文が何を扱っているかの「地図」を持てば、条文を引くスピードも格段に上がります。

この記事では、令112条から令130条にかけての防火・避難規定全体を俯瞰したうえで、試験で特に問われる条文の出題パターンを整理します。防火区画の詳細解説は既存の関連記事に委ね、この記事では「出題パターンの整理と全体像の把握」に重点を置いて解説します。


防火・避難規定の全体像――施行令第5章を俯瞰する

建築基準法施行令の第5章「避難施設等」には、防火および避難に関する規定が集中しています。おおまかに以下の構成です。

施行令第5章の構成

条文 見出し・内容
令第112条 防火区画(面積区画・高層区画・竪穴区画・異種用途区画)
令第113条 防火壁及び防火床
令第114条 界壁・間仕切壁・隔壁
令第115条 建築設備に関する防火措置
令第115条の2 主要構造部を木造とすることができる技術的基準
令第116条 窓その他の開口部を有しない居室等(無窓居室の基準)
令第116条の2 無窓居室の採光・換気・排煙・避難の判定
令第117条 直通階段の設置が必要な建築物の範囲
令第118条 避難上有効なバルコニー等
令第119条 廊下の幅
令第120条 直通階段の設置(直通階段の設置義務)
令第121条 直通階段の2以上設置義務
令第122条 避難階段の設置義務
令第123条 避難階段・特別避難階段の構造
令第124条 物品販売業を営む店舗における避難階段等
令第125条 避難口の施錠装置の構造等
令第126条 屋上広場等
令第126条の2 排煙設備の設置義務
令第126条の3 排煙設備の構造
令第126条の4 非常用照明装置の設置義務
令第126条の5 非常用照明装置の構造
令第128条 敷地内の通路
令第128条の3 地下街の構造(地下街の規定)
令第128条の3の2〜令第130条 地下工作物内の建築物の構造等

この一覧を見ると、施行令第5章が「防火区画(令112条)」から始まり、「直通階段・避難階段(令120条〜令123条)」「排煙設備・非常用照明(令126条の2〜令126条の5)」「地下街(令128条の3〜令130条)」と続く構成になっていることが分かります。

試験では令112条・令116条の2・令121条・令122条・令123条・令126条の2・令126条の4が特に頻出です。この記事では、それぞれの出題パターンを条文ごとに整理していきます。


防火区画(令第112条)の出題パターン

防火区画は令112条の1条で4種類の区画が規定されているため、試験で非常に問われやすいテーマです。ここでは各区画の出題ポイントを整理します。詳細な解説は関連記事をご参照ください。

防火区画4種の概要

区画の種類 令112条の項 対象・キーワード 開口部の防火設備
面積区画 第1項〜第4項 1,500㎡・1,000㎡・500㎡ 特定防火設備
高層区画 第5項〜第7項 11階以上・100〜500㎡以内 特定防火設備
竪穴区画 第9項 準耐火建築物・地階または3階以上に居室 防火設備(条件により特定防火設備)
異種用途区画 第13項 限定列挙の用途の混在 特定防火設備

面積区画(令第112条第1項〜第3項)の出題ポイント

面積区画は、建築物の耐火性能に応じて床面積の上限が変わります。以下の数値テーブルは試験の最重要事項です。

建築物の種別 区画面積の上限(SPなし) SPあり(床面積を1/2で計算)
耐火建築物(令第112条第1項) 1,500㎡以内 3,000㎡相当まで1区画可
1時間準耐火基準に適合する建築物(令第112条第2項) 1,000㎡以内 2,000㎡相当まで1区画可
45分間準耐火基準に適合する建築物など(令第112条第3項) 500㎡以内 1,000㎡相当まで1区画可

試験で頻出の引っかけ:
– 「耐火建築物の面積区画は1,000㎡以内」→ 誤り(1,500㎡が正しい)
– 「スプリンクラー設置で区画面積が3倍になる」→ 条文上は「床面積を1/2として計算」する規定。”3倍”という表現は正確ではない場合がある
– 「スプリンクラー緩和は建物全体に適用される」→ 誤り。スプリンクラーが設置された部分のみ1/2計算

スプリンクラー緩和(床面積の1/2計算)の仕組みや適用外のケース(劇場の客席部分など)の詳細は、→ 防火区画の種類と面積区画の基本 で解説しています。

高層区画(令第112条第5項〜第7項)の出題ポイント

建築物の11階以上の部分は、面積区画とは別に高層区画の規定が適用されます(令112条第5項)。ハシゴ車が届かない高層部分を対象に、より小さな面積で区画します。

高層区画の主要数値(令112条第5項〜第7項):
– 対象:建築物の11階以上の部分
– 基本区画面積:100㎡以内ごと(第5項)
– 壁・天井を準不燃材料とした場合:200㎡以内(第6項)
– 壁・天井を不燃材料とした場合:500㎡以内(第7項)
– 開口部:特定防火設備

試験で頻出の引っかけ:
– 「高さ31mを超える建築物の面積区画は200㎡以内」→ 誤り。200㎡は「高層区画」(令112条第6項)であり「面積区画」ではない。また高層区画の対象は「11階以上の部分」であり「高さ31m超」ではない
– 「高層区画は面積区画の特例規定として定められている」→ 誤り。高層区画は令112条第5項〜第7項の独立した規定

竪穴区画(令第112条第9項)の出題ポイント

竪穴区画は、階段・エレベーターシャフト・吹き抜けなど、複数の階にわたる縦方向の連続空間(竪穴部分)を他の部分と区画するものです。

主な適用対象:
– 主要構造部を準耐火構造とした建築物で、地階または3階以上の部分に居室がある場合

適用除外のケース:
– 3階以下で床面積の合計が200㎡以内の住宅の竪穴部分
– 主要構造部が耐火構造である建築物の竪穴(ただし高層区画の適用に注意)

試験で頻出の引っかけ:
– 「主要構造部を準耐火構造とした2階建て専用住宅(1・2階のみに居室)は竪穴区画が必要」→ 誤り。地階または3階以上に居室がある場合に限って適用
– 「竪穴区画の開口部には特定防火設備が必要」→ 竪穴区画は原則として防火設備(ただし耐火構造の床・壁で区画される場合等は特定防火設備が必要となるケースも。条文の確認が必要)
– 「異種用途区画と同様にスプリンクラー緩和が適用される」→ 誤り。竪穴区画には面積緩和のスプリンクラー規定は適用されない

竪穴区画の詳細(適用建築物の条件・防火設備の選定・適用除外の要件)については、→ 竪穴区画・異種用途区画の考え方 で詳しく解説しています。

異種用途区画(令第112条第13項)の出題ポイント

異種用途区画は、火災リスクの性格が異なる複数の用途が同一建物に混在する場合に、その境界を区画するものです。

重要な特徴:対象用途は限定列挙

令112条第13項に定める異種用途区画は、すべての異種用途の組み合わせに適用されるわけではありません。条文に列挙された特定の用途(自動車車庫、劇場・映画館・演芸場・公会堂・集会場、病院・診療所・ホテル・旅館・共同住宅等)が含まれる場合に限り適用されます。

試験で頻出の引っかけ:
– 「事務所と店舗が同一建物内にある場合は異種用途区画が必要」→ 誤り。この組み合わせは令112条第13項の限定列挙に含まれない
– 「異種用途区画にスプリンクラー設備を設置すれば区画面積を緩和できる」→ 誤り。スプリンクラー緩和(床面積1/2計算)は面積区画・高層区画に適用されるものであり、異種用途区画には適用されない

防火設備と特定防火設備の使い分け方については、→ 防火設備と特定防火設備の違い を参照してください。


避難規定の出題パターン

令116条の2以降の避難規定は、防火区画と並んで出題頻度が高いテーマです。条文ごとに主要な数値と出題ポイントを整理します。

令第116条の2:無窓居室の判定

「無窓居室」は、採光・換気・排煙・避難の各観点から判定基準が異なります。試験では「何の無窓か」を区別して答える必要があります。

判定の種類 判定基準(令116条の2)
排煙上の無窓居室 開口部の面積の合計が床面積の1/50未満の居室
採光上の無窓居室(参考:法第28条) 採光に有効な開口部面積が床面積の1/20未満

排煙上の無窓居室に該当すると、令126条の2(排煙設備の設置義務)の適用対象となります。

試験で頻出の引っかけ:
– 「無窓居室とは、窓が一切ない居室のことである」→ 誤り。条文上の「無窓居室」は開口部面積の割合で判定する
– 「採光上の無窓居室と排煙上の無窓居室は同じ基準で判定する」→ 誤り。それぞれ判定の基準割合が異なる

令第117条〜第126条:廊下・直通階段・避難階段・特別避難階段

避難動線を確保するための規定がこのグループに集中しています。

廊下の幅(令第119条)

廊下の種別 幅の最低寸法
両側に居室がある廊下 1.6m以上
その他の廊下(片側居室等) 1.2m以上
病院・共同住宅等の住戸部分(特殊建築物) 1.6m以上(両側居室)

※共同住宅の住戸内部の廊下は対象外。建築物の各階の廊下が対象。

直通階段の2以上設置義務(令第121条)

一定の用途・規模の建築物では、各階から避難階または地上に通じる直通階段を2以上設けなければなりません。

主な適用条件(一部抜粋):

用途・規模 直通階段を2以上設けなければならない条件
劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂・集会場 客席・集会室等の床面積が100㎡(地階は50㎡)超
病院・共同住宅等(法別表第一(い)欄(二)項) 5階以上に居室がある場合など
物品販売業を営む店舗(令第124条) 売場の床面積が一定規模以上の場合
主要構造部が準耐火構造または不燃材料 居室の床面積の合計が200㎡(地階は100㎡)超
上記以外の建築物 居室の床面積の合計が50㎡(地階は25㎡)超

試験で頻出の引っかけ:
– 床面積の数値を上記表から別の用途に誤って適用するパターン
– 「地階の直通階段の設置基準は地上階と同じ」→ 誤り。地階は地上階より厳しい(面積の閾値が小さい)

避難階段・特別避難階段の設置義務(令第122条)

直通階段のうち、避難階段または特別避難階段の設置が義務付けられる条件は以下の通りです。

設置が必要な建築物 必要な階段の種別
5階以上または地下2階以下に居室がある建築物 避難階段(令123条第2項)または特別避難階段
15階以上または地下3階以下に居室がある建築物 特別避難階段

特別避難階段は避難階段よりも厳格な構造が求められます(附室・バルコニーの設置、加圧排煙等)。

避難階段・特別避難階段の構造(令第123条)

構造要件 避難階段 特別避難階段
階段室・付室の壁 耐火構造 耐火構造
採光(窓) 必要 必要(付室にも採光または排煙)
煙の流入防止 開口部は防火設備(20分) 附室・バルコニーで遮断
屋内に至る開口部 特定防火設備 特定防火設備

試験で頻出の引っかけ:
– 「避難階段の屋内に面する開口部は防火設備(20分)で足りる」→ 誤り。特定防火設備(1時間)が必要
– 「地上3階建ての建築物には特別避難階段の設置義務がある」→ 誤り。地上3階建てには特別避難階段の設置義務はない(15階以上または地下3階以下が対象)

令第126条の2〜令第126条の4:排煙設備・非常用照明

排煙設備の設置義務(令第126条の2)

排煙設備は、煙の充満による人命への危険を防ぐために設けられる設備です。

設置義務が生じる主な建築物:

建築物の種別 設置義務
法別表第一(い)欄(一)〜(四)項の特殊建築物(延床面積500㎡超) 設置義務あり
階数が3以上で延床面積が500㎡超の建築物 設置義務あり
排煙上の無窓居室(令116条の2第1項第二号の無窓居室) 設置義務あり
延床面積1,000㎡超の建築物(一定用途除く) 設置義務あり

排煙設備の設置が免除される主なケース(令第126条の2第1項ただし書き等):
– 床面積が100㎡以内で、準耐火構造の床・壁や防火設備で区画された居室
– 床面積が100㎡以内の居室で、内装が不燃材料または準不燃材料による仕上げの場合(法第35条の2適用箇所)
– 令第116条の2第1項第二号の無窓居室に該当しない居室(排煙上有効な開口部がある場合)

試験で頻出の引っかけ:
– 「延床面積300㎡の特殊建築物には排煙設備の設置義務がない」→ 法別表第一(い)欄の特殊建築物で延床面積500㎡超が対象。300㎡なら該当しない場合があるが、「無窓居室に該当する」場合は別途義務が生じる
– 「床面積100㎡以内で準耐火区画された居室は常に排煙設備免除」→ 100㎡以内の区画でも用途や仕上げ材料の条件を満たす必要がある

排煙設備の構造(令第126条の3)

排煙口の位置・有効面積・排煙風量について、試験で問われる主要な数値を整理します。

構造要件 内容
排煙口の位置 天井または天井から下方80cm以内の壁面部分
排煙口の有効開口面積 排煙区画の床面積の1/50以上
機械排煙の場合の排煙量 1分間に120㎥(毎分120㎥)以上(または各部分から60㎥/分以上)
排煙口の操作 手動開放装置または自動開放装置

試験で頻出の引っかけ:
– 「排煙口は天井から1m以内の壁面に設ける」→ 誤り。天井から80cm以内が正しい
– 「排煙口の有効開口面積は床面積の1/20以上」→ 誤り。1/50以上が正しい(採光上の無窓居室の判定基準1/20と混同させるパターン)

非常用照明装置(令第126条の4・令第126条の5)

設置義務が生じる主な建築物 内容
法別表第一(い)欄(一)〜(四)項の特殊建築物 居室・廊下・階段等に設置義務
階数が3以上で延床面積が500㎡超の建築物 同上
採光上の無窓居室 設置義務あり

主な設置免除:
– 一戸建て住宅・長屋・共同住宅の住戸
– 学校(幼稚園・小学校・中学校等)
– 病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室

主な構造要件(令第126条の5):
– 照明装置は停電後でも30分間以上点灯できること
– 照度は床面において1ルクス以上

試験で頻出の引っかけ:
– 「非常用照明装置は床面で2ルクス以上」→ 誤り。1ルクス以上が正しい
– 「学校には必ず非常用照明装置が必要」→ 誤り。学校は設置免除の対象
– 「共同住宅のすべての部分に設置が必要」→ 誤り。住戸は設置免除

令第128条の3〜令第130条:地下街関連

地下街(地下の工作物内に設ける店舗・事務所等の施設)は、火災時の避難が特に困難であるため、独自の規定が設けられています。

条文 内容
令第128条の3 地下街に設ける店舗等は、各店舗の床面積を1,000㎡以内とし、耐火構造の床・壁と特定防火設備で区画する
令第128条の3の2 地下工作物内の建築物の構造基準

地下街(令128条の3)の主要数値:
– 各店舗の床面積:1,000㎡以内ごとに区画
– 区画に使用する防火設備:特定防火設備
– 各店舗の床面積の合計:建築物の延床面積ではなく各区画単位で管理

試験で頻出の引っかけ:
– 「地下街の各店舗は500㎡以内に区画しなければならない」→ 誤り。1,000㎡以内が正しい
– 「地下街の区画に必要な防火設備は防火設備(20分)で足りる」→ 誤り。特定防火設備が必要


防火設備と特定防火設備の区別

防火区画・避難規定の各条文には「防火設備」と「特定防火設備」が登場します。この区別を間違えると失点に直結するため、必ず整理しておきましょう。

種別 旧称 遮炎性能 主な使用場所
特定防火設備 甲種防火戸 加熱開始後1時間以上 面積区画・高層区画・異種用途区画の開口部、避難階段の屋内側開口部等
防火設備 乙種防火戸 加熱開始後20分以上 竪穴区画(原則)・防火地域の外壁開口部等

詳細な解説と使用例については、→ 防火設備と特定防火設備の違い を参照してください。


試験での頻出引っかけパターン5選

防火・避難規定の問題では、毎年似たパターンの引っかけが出題されます。以下の5つのパターンを事前に把握しておくだけで、失点を大幅に減らすことができます。

引っかけ1:「排煙口は天井から1m以内」という誤り

正しくは天井から80cm以内(令126条の3)。「1m」という数字は別の条文(避難口・開口部の高さ等)と混同させるためのひっかけです。

攻略法: 「排煙口=80cm(8の字で覚える)」というセットで記憶する。

引っかけ2:「竪穴区画の開口部は特定防火設備が必要」という誤り

竪穴区画(令112条第9項)の開口部に必要なのは原則として防火設備(20分)です。特定防火設備(1時間)が必要なのは面積区画・高層区画・異種用途区画の開口部です。

攻略法: 「竪穴=防火設備、面積・高層・異種用途=特定防火設備」という対応を一覧表で覚える。

引っかけ3:「15階建ての建築物には避難階段が必要」という誤り

15階以上の建築物には特別避難階段の設置義務があります(令122条)。単なる「避難階段」では足りません。15階という数字と「特別」という言葉をセットで覚えてください。

攻略法: 「15階以上=特別避難階段」「5階以上または地下2階以下に居室=避難階段以上」という段階を対応させる。

引っかけ4:面積区画と高層区画の「名称の混同」

「高さ31mを超える建築物の面積区画は200㎡以内」という問題文は誤りです。200㎡は高層区画(令112条第7項)の規定です。面積区画(同条第1項〜第3項)とは別の独立した規定です。

攻略法: 区画の名称と令112条の項番号を必ずセットで記憶する。「面積区画=1〜4項」「高層区画=7・8項」「竪穴区画=9項」「異種用途区画=18項」。

引っかけ5:非常用照明の「照度の数値」と「点灯持続時間」

  • 照度:床面において1ルクス以上(「2ルクス以上」は誤り)
  • 点灯持続時間:30分間以上(「20分間」や「1時間」は誤り)

攻略法: 「非常用照明=1ルクス・30分」というセットで記憶する。


社会人向け学習法――この範囲の効率的な覚え方

防火・避難規定は条文の数が多く、試験で問われる数値も多岐にわたります。忙しい社会人受験生が効率よく点数につなげるための学習法を紹介します。

ステップ1:施行令第5章の「地図」を作る(15〜30分)

まず、この記事の「施行令第5章の構成表」を手書きでノートにまとめてください。「令112条から令130条まで、何がどこに書いてあるか」という地図を持つことが、以降の学習の土台になります。

条文を細かく読む前に地図を作ることで、「今どの条文を勉強しているのか」「隣の条文とどう関係しているのか」が分かるようになります。

ステップ2:数値テーブルを一枚の紙にまとめる(30分)

以下の主要数値を一枚の紙にまとめて、毎日見る習慣をつけてください。

【防火区画(令112条)】
面積区画:耐火1,500㎡/1時間準耐火1,000㎡/45分準耐火500㎡
高層区画:11階以上 → 100㎡以内(不燃材料仕上げ等で200㎡・500㎡に緩和)
竪穴区画:準耐火建築物で地階または3階以上に居室

【避難規定】
廊下幅:両側居室1.6m・片側1.2m
直通階段2以上:床面積100㎡超(劇場等)・200㎡超(主要構造部準耐火等)
特別避難階段:15階以上または地下3階以下
排煙口の位置:天井から80cm以内
排煙口の有効面積:床面積の1/50以上
非常用照明:1ルクス以上・30分以上

【地下街(令128条の3)】
地下街の区画:1,000㎡以内・特定防火設備

この「数値シート」を電車の中で見るだけで、繰り返しの学習効果が得られます。

ステップ3:過去問を「条文番号ベース」で分類する(継続的に)

防火・避難規定の過去問を解く際は、問題ごとに「この問題は令○条の話だ」と条文番号を付箋に書いてノートに貼る習慣をつけましょう。

この分類作業を続けることで、「令123条(避難階段の構造)は毎年1〜2問出る」「令126条の3(排煙設備の構造)は数値問題が多い」といった出題傾向が見えてきます。

ステップ4:法令集にインデックスを整備する(試験3ヶ月前まで)

令112条・令116条の2・令121条・令122条・令123条・令126条の2〜3・令126条の4〜5・令128条の3の各条文にインデックスを貼り、本番で素早く参照できる状態にしておいてください。

特に「令126条の2(排煙設備の設置義務)」と「令126条の3(排煙設備の構造)」は、番号が近くて混同しやすいため、「設置義務=令126の2」「構造=令126の3」とインデックスに明記しておくのが効果的です。

社会人受験生への一言

防火・避難規定は「覚えることが多い」と感じやすいテーマですが、実際に試験で問われる数値のパターンは限られています。「覚えるべき数値をすべて覚える」よりも「頻出の数値を確実に覚え、条文を素早く引ける状態にする」ことを優先してください。

法令集の持ち込みが許可されている試験だからこそ、「丸暗記」より「引き方の習熟」に時間を投資することが、社会人受験生にとっての効率的な戦略です。


まとめ

この記事では、施行令第5章の防火・避難規定を令112条から令130条まで俯瞰し、試験で特に問われる出題パターンを整理しました。

防火区画(令112条)の4種類:
| 区画の種類 | 条項 | 主要数値 | 開口部 |
|———–|——|———|——-|
| 面積区画 | 第1〜3項 | 1,500㎡/1,000㎡/500㎡ | 特定防火設備 |
| 高層区画 | 第5〜7項 | 11階以上・100〜500㎡以内 | 特定防火設備 |
| 竪穴区画 | 第9項 | 準耐火・地階または3階以上 | 防火設備(原則) |
| 異種用途区画 | 第13項 | 限定列挙の用途組み合わせ | 特定防火設備 |

避難規定の主要数値:
– 廊下幅:両側居室1.6m・片側1.2m(令119条)
– 特別避難階段:15階以上または地下3階以下(令122条)
– 排煙口の位置:天井から80cm以内(令126条の3)
– 排煙口の有効開口面積:床面積の1/50以上(令126条の3)
– 非常用照明:1ルクス以上・30分以上(令126条の5)
– 地下街の区画:1,000㎡以内・特定防火設備(令128条の3)

試験の引っかけ5選:
1. 排煙口は天井から80cm以内(1mは誤り)
2. 竪穴区画の開口部は防火設備(特定防火設備ではない)
3. 15階以上は特別避難階段(避難階段では不足)
4. 200㎡は高層区画(面積区画ではない)
5. 非常用照明は1ルクス・30分(2ルクスや1時間は誤り)

防火・避難規定は覚えるべき情報量が多い分野ですが、施行令第5章の全体像を「地図」として把握したうえで数値を整理することで、安定して得点できるテーマになります。まずは「施行令第5章の構成表」を手書きでまとめるところから始めてみてください。

合格に必要な教材を選ぶ

📚 スタディング 一級建築士講座

社会人受験生に人気のオンライン講座。スマホ1台で法規の条文読み込みから過去問演習まで完結。無料体験あり。

→ スタディング 一級建築士講座の詳細・料金を見る(公式サイト)

試験会場に持ち込める法令集3冊【令和8年度版】

井上書院「建築関係法令集」令和8年度版


総合資格「建築関係法令集 法令編」令和8年版


TAC出版「建築基準関係法令集」2026年度版



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA