一級建築士 勉強はいつから?|9月から始める1年間の学習計画

一級建築士 勉強はいつから?|9月から始める1年間の学習計画 アイキャッチ

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はじめに|「そろそろ始めないと」と思いながら、9月が終わろうとしていませんか

一級建築士を受けようと決めた。でも、何から手をつければいいかわからない。

そう思っているうちに夏が終わり、気づけば9月。まわりに受験する人もおらず、誰に聞けばいいのかもわからない——そんな状態で立ち止まっている方は少なくありません。

結論から言います。9月に始めるのは、遅くありません。むしろ最適なタイミングです。

この記事では、必要な勉強時間から逆算した1年間のスケジュールと、9月に始める人が最初の1ヶ月でやるべきことを整理します。あわせて、この時期に始める人だけがハマる「法令集の年度違い」という落とし穴についても触れます。

必要な勉強時間から逆算する

学科に必要なのは1,000〜1,500時間

合格者へのヒアリングや各種資料から示されている目安は、次のとおりです。

試験区分 必要勉強時間の目安
学科試験 1,000〜1,500時間
設計製図試験 200〜400時間
合計 1,200〜1,900時間

学科試験は例年7月の第4日曜に実施されます。9月から始めるとすると、試験まで約10ヶ月半。

1,000時間を10ヶ月で割ると、1ヶ月あたり約100時間、1日あたり3時間強です。フルタイムで働きながらこの数字を見ると、正直きついと感じるはずです。

だから「平日と休日で分ける」

1日3時間を毎日というのは、多くの社会人にとって現実的ではありません。実際には平日と休日で配分を変えます。

1日あたり 週合計
平日(5日) 1.5〜2時間 7.5〜10時間
休日(2日) 5〜6時間 10〜12時間
週合計 17.5〜22時間

週20時間を10ヶ月続けると約860時間。ここに直前期の追い込みを足して、1,000時間に届く計算になります。

数字にすると重く見えますが、平日は「1.5時間を確保する」だけです。通勤時間と昼休みを使えば、机に向かうのは帰宅後1時間で済みます。

なぜ9月スタートが合理的なのか

理由1|今年の試験が終わり、情報が出そろっている

7月に学科試験、9月上旬に合格発表があります。この時期は直近の試験がどうだったかという情報が最も豊富です。

たとえば令和8年(2026年)の学科試験は、合格基準点が総得点94点、合格率26.2%でした。前年の16.5%から大きく上がった、易しい年でした。こうした直近のデータを踏まえて計画を立てられるのは、9月から始める人の利点です。

令和8年の結果の詳細は学科試験の合格基準点|94点・合格率26.2%にまとめています。

理由2|10ヶ月は「長すぎず短すぎない」

1月や2月から始めると、試験まで5〜6ヶ月。1,000時間を確保するには1日6時間近く必要になり、仕事と両立できません。

逆に4月や5月から始めると、期間が長すぎてモチベーションが持ちません。10ヶ月は、緊張感を保ちながら基礎を固められる、ちょうどいい長さです。

理由3|法規から始められる

学科試験は5科目ありますが、配点は均等ではありません。

科目 出題数
計画 20問
環境・設備 20問
法規 30問
構造 30問
施工 25問

法規と構造だけで60問、全125問の48%を占めます。そして法規は、法令集を持ち込める唯一の科目です。暗記量ではなく「引き方」で点が決まるため、早く始めた人ほど有利になります。

9月から始めるなら、まず法規に時間を投じるのが定石です。詳しくは法規の勉強法|社会人が独学3ヶ月で合格ラインに届く学習計画で解説しています。

【重要】9月に法令集を買ってはいけない理由

ここが、この時期に始める人だけがハマる落とし穴です。

試験で適用される法令は、「試験年の1月1日時点で施行されているもの」と受験要領に明記されています。つまり令和9年の試験なら、令和9年1月1日時点の法令です。

そして法令集は毎年秋から冬にかけて翌年度版が発売されます。9月時点で書店に並んでいるのは、今年の試験用(令和8年度版)です。

これを買ってしまうと、来年の試験には使えない可能性が出てきます。法改正があった条文がそのまま古い内容で載っているためです。

では9月〜11月はどうするか

法令集を買わずに始められることから手をつけます。

  • 試験の全体像と科目別の配点を把握する
  • 計画・環境設備・施工など、法令集を使わない科目のテキストを読む
  • 過去問を1年分だけ解いて、何を問われるのかを体感する
  • 構造力学の基礎(静定梁・応力)に触れる

法令集は、翌年度版が出てから購入します。買い方と選び方は法令集の選び方にまとめました。

なお、法令集を手に入れたあとの線引きと書き込みには試験上のルールがあります。認められる書込みは受験要領で4つに限定列挙されており、これを外すと試験当日に法令集が使えなくなることがあります。買う前に一度目を通しておくと安全です → 法令集の書き込みルール

9月から翌7月までの月別スケジュール

時期 やること 目安時間
9月 試験の全体像を把握。過去問1年分を解いて現在地を知る。学習環境を整える 40時間
10月 計画・環境設備のインプット開始。法令集を使わない科目から 80時間
11〜12月 翌年度版の法令集を購入し線引き開始。構造力学の基礎 180時間
1〜2月 法規の条文を引く練習。構造の計算問題 180時間
3〜4月 施工のインプット。5科目を一巡させる 180時間
5月 過去問演習に移行。全科目の弱点を洗い出す 100時間
6月 模擬試験。時間配分の練習。弱点の補強 120時間
7月(直前期) 過去問の反復。法令集の最終調整 120時間

合計で約1,000時間。これがひとつの型です。

重要なのは1〜2月に法規を仕上げにかかること。法規は引く速度が上がるまでに時間がかかるため、直前期に手をつけると間に合いません。

来年に向けた12ヶ月の組み方は来年こそ合格|12ヶ月の学習スケジュールでも詳しく扱っています。

最初の1ヶ月でやるべき3つのこと

1. 過去問を1年分、時間を計って解く

まだ何も勉強していない段階で過去問を解くのは無駄に思えますが、これが最も効きます。

目的は点数ではありません。「何を問われる試験なのか」を体で知ることです。テキストを100ページ読むより、過去問を1年分解くほうが、試験の輪郭がつかめます。

このとき必ず時間を計ってください。学科Ⅲ(法規)は30問を1時間45分で解きます。1問あたり3分半しかないという事実を、最初に体感しておくべきです。

2. 平日のどこで1.5時間を作るか決める

「時間ができたらやる」では続きません。あらかじめ場所を決めます。

  • 朝、始業前の30分
  • 通勤電車の往復40分
  • 昼休みの20分
  • 帰宅後の30分

このように分割すると、まとまった時間を確保できなくても1日2時間に届きます。社会人が1,000時間を積むというのは、こういう積み上げの話です。

3. 独学でいくか、講座を使うか決める

これは早めに決めたほうがいい問題です。途中で切り替えると、それまでの進め方を組み直すことになるからです。

判断の目安は次のとおりです。

向いている人
独学 建築系の学科出身で基礎がある。自分で計画を立てて実行できる。費用を抑えたい
通信講座 実務が忙しく学習計画を組む時間がない。基礎から体系的に学びたい。挫折した経験がある

独学と通信講座の比較は一級建築士は独学と通信講座どっちがいい?で、費用や合格率を含めて整理しています。

よくある失敗

テキストを最初から読み始める。 5科目分のテキストは合わせて2,000ページを超えます。頭から読むと、施工にたどり着く前に力尽きます。過去問を起点に、必要な箇所を拾いにいく形が現実的です。

法規を後回しにする。 法規は暗記科目ではなく操作の科目です。法令集を引く速度は練習量に比例して上がるので、直前期に始めても間に合いません。

完璧な計画を立てて満足する。 計画づくりに時間をかけるより、今週の20時間をどう使うかを決めるほうが前に進みます。

まとめ

  • 学科に必要なのは1,000〜1,500時間。9月から始めれば約10ヶ月半あり、週20時間で届く
  • 平日1.5〜2時間、休日5〜6時間が現実的な配分
  • 9月の時点で法令集を買わない。 適用法令は試験年の1月1日時点のもので、書店に並ぶのは今年度版
  • 9〜11月は法令集を使わない科目から。翌年度版が出てから法規に本格着手
  • 法規と構造で全体の48%。特に法規は早く始めた人が有利
  • 独学か講座かは最初に決める。途中で切り替えると組み直しになる

10ヶ月は長いようで短い期間です。ただ、今日から週20時間を積み上げれば、来年7月には十分な準備ができているはずです。

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法令集は翌年度版が出てから

上で書いたとおり、9月時点では今年度版しか手に入りません。参考として現行版を挙げておきますが、購入は翌年度版の発売を待ってください。

井上書院「建築関係法令集」


総合資格「建築関係法令集 法令編」


TAC出版「建築基準関係法令集」


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